澄ちゃん坂 (日本一の若大将 1962年 東宝)
ではまず動画から

つかみどころがない坂だが、どこだろう???
郊外のような、街中のような、でもムチャクチャ都会ではないような・・・・・

これまでの流れを図にしたので、ご覧いただきたい。多少見にくくて申し訳ないが、だいたいこんな感じだ。

▼澄ちゃん坂の攻防_画像@

私の予想では、成城、岡本三丁目、二子玉周辺と踏んで一帯を探していたが、なかなか見つからず。そんな時、鰤ほぐしさんから学校(左の上から3枚目)と米の丁子屋(右の下から2枚目)が見つかったとの連絡が入った。

余談だが鰤ほぐしさん、今回は澄ちゃんになりきるため調査の前にこれを購入したそうだ。形から入るところが昭和生まれ(たぶん)。正直笑えた^^

鰤ほぐしさん購入_画像A

話を戻す。
では鰤ほぐしさんが見つけた場所を紹介する。

▼学校_画像B

道路奥が学校。当初小学校か中学校か高校かは不明だった。

▼米の丁子屋_画像C

道路右の店舗看板@丁子屋の米とある。

さて、そんな報告を受け昭和43年の住宅地図を見ると、あるある。坂の途中の丁子屋。その先の小学校
ここのところ鰤ほぐしさんにお世話になりっぱなしなので、「この辺で私もイッパツ!」と見つけたのが電柱にある宝田の看板(左の上から4枚目)だ。

▼宝田の看板_画像D

右の拡大を見てもらうと「宝田 入口 ←」と書いてあるのがわかる。宝田がなんなのかわからないが、電柱の奥を左に入ればあるわけだ。

ではこの辺りの住宅地図を見てみる。

▼上り坂部分昭和43年住宅地図_MAP@

@丁子屋、読めますね? 宝田の看板があった電柱Aを左に入ると1本裏の道に宝田がある。何屋かは不明。
画像Bの学校は常磐松小学校。渋谷区立か〜
まさか渋谷のような都会とは・・・・・

▼とりあえず一旦この場所を確認してみる_MAPA

明治通りの東交番前から北東へ上る坂道だ。この先國學院大學前を経て、東四丁目交差点へ抜ける。上り坂のシーンはここでロケしたわけだ。

じゃこの先はどうなんだろう?
小学校を過ぎ、國學院大学前の信号を過ぎると、ほどなく頂上になり先は下り坂だ。はたして澄ちゃんが止められ、若大将が得意の乱闘するシーンはあるのか???

動画を見るとわかるが、この先の下り坂は閑静な住宅街のようだ。上りにあった若干の商店など全くない。人も歩いてない。ましてや対向車など1台もこない。
もしかして別の場所か???

ではこの先頂上付近から下り坂へ進む。

▼小学校を過ぎた一行は頂上付近へ_画像E

左に門のある洋館らしき建物Bとその右は車庫だろうか、白い方形の低い建物Cがある

▼とうとう止められた_
画像F
頂上に到着。左側は白い壁D。この先は下り坂になっているのがわかるる。

▼気丈にブーたれる澄ちゃん_
画像G
澄ちゃんの後ろに白い壁Dが見える。

▼しつこくちょっかいを出すいカミナリ族_
画像H
左へ入る路地Eがある。Fの屋根はかなり大きい。切妻屋根の民家G

▼下り坂の途中で停車。車から飛び降りる若大将_
画像I
左側の石垣はHIJと下り坂に沿って3段形状になっている(Jは動画で確認できる)。石垣の途中から排水管Kが出ている。青大将の車はこの前に止まったようだ。

「どっからでもかかってらっしゃい!」と大山倍達みたいな若大将_
画像J
Lかなりデカイ建物だ。小窓が規則正しく並んでいる。

▼「まだやるだか?」と若大将_
画像K
白い壁の終わったところMに左へ入る路地有り。またこの地点から奥へ下り坂となる。駆け寄る青大将と奈美の間に青大将の赤い車Nがぼんやり見える。

ではここまでの下り坂部分を空撮と住宅地図で見てみるとこんな位置関係になる。

▼下り坂部分空撮&住宅地図_
MAPB_
さて、ここまで見てきて上りと下りは同じ坂となんとなく思えてきたが、当時は100%の自信がなかった。それは画像JLの建物の特定ができなかったからだ。場所的には國學院大學の校舎(3号館)で間違いないのだが、それを裏付ける資料がなかった。鰤ほぐしさんなんか大学の図書館まで行ったが・・・・・ ご苦労様でした<(_ _)>

ま〜困った困ったで数日間過ぎたある日、Yahoo!、Goo、Googleそれぞれの空撮を見ていたところ、凄い事を発見した。

▼Yahoo!、Goo、Google空撮比較_
画像L
ご覧のように、地図表示では校舎の形状がすべて同じだか、空撮だとGooのみ違う。Gooの空撮は2009年8月以前の撮影のようである。よって昭和38年撮影の空撮時の校舎がそのまま写っている。
また上の拡大画像から校舎東面には小さな窓が並んでいることが確認できる。
これにより
画像JL國學院大学の旧校舎であることを特定した。

以上により私の予想通り上り坂と下り坂は同じであった。

非常に気をよくしてる所へ、現地撮影に行った鰤ほぐしさんより上記
画像I排水管部分の画像が送られてきたので紹介する。これはとても興味深い。

▼排水管今昔_
画像M
この仮説、ご納得いただけるだろうか???

長々とお付き合いいただき忝ない。これにて澄ちゃん坂の特定は完了、と言いたいところだが実はあと1ケ所残っている。順序は逆になってしまったが坂入口の場所である。
では最初に入口のシーンと東交番前交差点の現状を比べてみる。

▼入口比較_
画像N
どう思われるか?似てるような似てないような・・・・・
似てる点としては、見たまんま。道路の形状だけ。
似てない点としては、
 ◆手前に明治通りがあるような雰囲気に見えない。
 ◆中央左に見える赤いのぼり。たぶん神社と思うが、上の画像にはそれらしきものがない。
 ◆「再開発により道路両側を崩しビルを建てた。」
   とも考えられるが、私だったらこんな再開発プランは立てない(←無茶苦茶)

侃々諤々の結果ここじゃないということで、また一から探し始めた。根拠はないがこの周辺を。
短いシーンだったので再度入口付近の画像を載せる。おさらいの意味も込めて。

▼澄ちゃん坂入口付近(拡大)_
画像O
問題は中央に見える鉄筋の建物だ。横には煙突のようなものが立っている。
ただこれだけで探すのは至難の業。正直諦めてたところへ
鰤ほぐしさんから「それっぽい場所見つけた!」と連絡が入った。
何と当荻窪田能久ホールディングスの総帥、荻窪東宝さんの聖地巡礼、日本一の若大将>>>から見つけていた。

▼これが問題のシーンだ_
画像P
大体お分かりいただけたと思う。3人の乗る車はマラソンコースで上ってた坂を下ってるわけだ。このまま下ると現在の六本木通り、渋谷四の交差点になる。撮影当時は六本木通り自体存在していなかった。
もう1枚
鰤ほぐしさんが指摘した点がある。この前、マラソンの一団が坂を登る前のシーンだ。六本木通り自体が存在していないわけだから、コース左側の擁壁の続きが、坂入口右側の擁壁につながるという点だ。

▼同じ擁壁_
画像Q

この場所の位置関係及び走行コースをGooの空撮で見ると以下のようになる。
鰤ほぐしさん作成のものに加筆してある。

▼入口部分Goo空撮(S38)_
画像R
@青山学院女子短期大学北校舎。現存するが南に講堂が建ったため見えない。 A煙突 撤去されている。 B中等部の旧体育館と思われる建物の屋根。 C坂入口右側擁壁 D青大将の車の後ろの壁 Eマラソンコース左側擁壁 ちょっと見にくいが、薄いオレンジの部分が六本木通りだ。

次の画像は
鰤ほぐしさんが仕入れてきた「青山学院創立90年誌」のもので、南東方面からの俯瞰画像である。Wikiより青山学院の創立を1874年とするとは90周年は1964年、オリンピックの年になる。六本木通りは完成しているが首都高はまだのようだが、橋桁は確認できる。

▼俯瞰図_
画像S

以上により入口のシーンは、
六本木通り渋谷四交差点での撮影と特定する。異論があればご一報頂きたい。

では最後に今回のシーンをFlash」で紹介するとともに、実際に走ったコースの地図を載せておく。Flash用画像の撮影はすべて
鰤ほぐしさんだ。

▼青大将爆走中_
Flash@

▼なおも爆走中_
FlashA

▼いよいよ問題の坂に突入_
FlashB

▼澄ちゃんにちょっかいを出し始めるカミナリ族。それををあおる青大将_
FlashC

▼常磐松小学校前。エスカレートするカミナリ族_
FlashD

▼車から飛び降りる若大将。「澄ちゃん!待ってろよ〜」_
FlashE

▼どこからでもかかってらっしゃい!状態の若大将_
FlashF

▼「まだやるだか?」の若大将_
FlashD

▼コースMAP
_MAPC
なぜこんなややこしい事するんだろうか? 素直に東交番前を入口にしておけば、こんな苦労はしなかったのに。映画人のすることは・・・・・ わからん!!

先程「最後に・・・・・」と書いてしまったが、、私も少しは仕事してるところ見せたいので、私が撮影した坂道部分(東交番前交差点〜)の動画を載せておく。尚、
音声付きなので仕事中の方はご注意!

〔このシーンの出演者〕
 ・加山雄三 ・星由里子 ・田中邦衛 ・田村奈美 ・カミナリ族

〔ロケ地情報〕
名称:
@六本木通り渋谷四交差点南から青山学院東側の坂
    A
明治通り東交番前交差点から東四丁目交差点までの途中部分
交通:
@東急バス渋谷4丁目 A東急バス渋谷図書館入口下車

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